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2016/2/5 羊たちの沈黙 [病む]

タイトルは、The Dark Side of the Moon でもよかったかもしれません。

知的レベルの高い女性が入院。
病名は「パーソナリティー障害」。
わかりやすく言うと、
自尊心が強く、人と意見が合わないと逆上する性格。
彼女には、自殺願望がありました。
何をしても自分の思い通りにならず、世界のすべてに絶望。
病院の治療に最後の望みを託して入院してきました。
でもなかなかうまくいきません。
担当看護師が気に入らないから変えろ。
主治医が気に入らないから変えろ。
普通の人からみたら、わがまま言い放題。
病棟は閉鎖病棟で、危険物の持ち込みは厳しくチェックされます。
しかし、彼女は自分のわがままで、入院中も自分の車を病院の駐車場に置き、気分転換のため車で外出することを許可させていました。

ある日、彼女は外出許可を得て外出したまま、予定の時間に戻ってきませんでした。
職員が捜索した結果、病院内のトイレの個室で首を吊って死んでいるのが発見されました。

警察が捜査したところ、数日前に車で外出した際に、ホームセンターでロープを購入していたことがわかりました。
持ち物検査があり閉鎖病棟には持ち込めないので、車の中に隠し、外出許可を得て、車からロープを持ち出し、外来のトイレで首を吊ったのです。
彼女は死に方も研究していました。汚物を垂れ流さないよう、ホームセンターで紙おむつを買い、紙おむつをした状態で首を吊りました。

その前から自殺願望について職員に話していて、死に損なって寝たきりになるのはいやだ、とか、電車に飛び込むと賠償金を取られるとか、完璧な死に方を考えていました。

鉄道自殺では、遺族が賠償金を請求される、病院で自殺すれば遺族が訴訟を起こして慰謝料を取れる。
そこまで考えての病院内での自殺だったのかはわかりません。

そんな話を聞きながら、古い映画を思い出しました。
「羊たちの沈黙」では、レクター博士は天才殺人鬼でしたが、彼女はまわりの目を欺いて死ぬ方法を考えていました。

殺人鬼は捕まえなくてはいけませんが、自殺したい人を入院させて自殺させないようにする義務を病院は負っているのでしょうか。
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コメント 4

KEY

私にはその女性が取った行動が理解できます。
私が自殺念慮にとりつかれていたとき、
「家で死んだら事故物件になって多くの人に迷惑を掛ける。」
「鉄道自殺は遺族に経済的負担がかかる。」
クルマの中で何処か山の中ででも死ねば良いと思いつつ、
家を片付けて解約して身体一つになるためにエネルギーもなく、毎日踏切の前で電車を眺めていました。
病院に義務はないかも知れませんが、自殺念慮のある人が計画的或いは衝動的に自殺することは充分予測できたことです。
彼女の自殺は避けられなかったことだろうとは思いますが、そうなるであろうこともおそらく担当医や看護師はわかっていただろうと思います。
「わがまま」と書かれていますが、それを許したことが良かったのかはわかりません。
by KEY (2016-02-06 10:50) 

SGW

コメントありがとうございます。
いくつかポイントがあると思います。
「パーソナリティー障害」という病気が、内因性の病気なのか、親の育て方や環境による病気なのかよく知らないのですが、とにかく本人の思い込みが強く、それを否定すると収拾がとれなくなってしまいます。例えば、外来の診察室で本人の機嫌を損ねると何時間でも感情的に担当医を非難し続け、外来が止まってしまうというようなことが起こります。これは病院側から言えば、「診療妨害」に当たりますが、外来主治医は、患者の言うことを容認することで、診療妨害を交わしていたようです。
正直なところ、病院はこういう患者を診たくないので、患者がクレームをつけてきたところで、「それではほかの病院で診てもらってください」と言って逃げる。患者はあちこちの病院を転々として、うちにやってきたというわけです。
次に、この患者はインテリジェンスが高く、なかなかの美人で、出会った男は、何とかしてあげたいと思ってしまう、フェロモン効果があったようです。しかし、しばらく付き合うと必ずトラブルになり、しかも別れるのも簡単ではなく、泥沼化してしまいます。
で、この方は自殺をかなり真剣に考えていたようです。家庭でもうまくいかず、入院生活も最初はよかったようですが、結局、自分を理解してくれないという結論に至ったようです。そして用意周到にロープや紙おむつを用意して実行したわけです。病院としては希死念慮に対し、15分ごとに病室を巡回するというような対応をしていたのですが、「自殺するスキを与えない」という対応で自殺をあきらめさせることはできないのではないかと思うのです。
by SGW (2016-02-06 15:05) 

KEY

パーソナリティ障害は複雑で多岐にわたるので、診察診断しようにも本人が心を開かない限りは難しい病気ですね。
正直保険診療の範囲でこうした病例に対処するのは無理があると思います。自由診療のカウンセリングで時間を掛けない限り、また手練れの心理療法士でない限り、療法に持ち込むことも難しいでしょう。
逆に彼女としては、用意周到に自死を遂げたことに満足しているのかも知れません。
彼女は完全な自分を求めつつ、そうはなれない自分に忸怩たる思いがあったのかも知れないと推測します。
おそらくは彼女なりに苦しんだのでしょうから、死が安らぎを与えたと思いたいです。
by KEY (2016-02-06 16:49) 

SGW

そうなんです。私も全く同意見です。
うつ病とパーソナリティー障害では、希死念慮の背景が違います。
うつ病では、うつ病を治療することにより希死念慮をなくすことができますから、危険な時期だけ隔離して、厳重に観察すれば治療により自殺を回避できます。パーソナリティー障害では、診療側の治療方針を受け入れてもらえず、薬も拒否されたりしますので、希死念慮の背景を治療すること自体が難しいのだと思います。厳重に管理しようとすれば、患者の症状は悪化します。
by SGW (2016-02-06 20:03) 

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